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権現(ごんげん)

神仏混淆の時代に設けられた神号のひとつ。

「権現」という言葉は、
「権」=「臨時・仮の」という意味
「現」が「現れた様・状態」
を意味を示す二つの語から成り立った言葉であり、そのまま言えば、「権現」とは「仮の姿をまとって現れたもの」という意味になる。

これは、6世紀の仏教流入以降、神道の「神」という存在と仏教の「仏」という存在が共存し始めた結果、その両者の立場を論じる動きの中から生じた言葉であり、これは、仏教側が主張する「本地垂迹思想」によるものとなる。この為、当時の意味としては、『日本の神々とは、仏教の仏が現世に現れた仮の姿」という意味で用いられ、根源的には、両者は同じものであるとされた。ある意味、「権現」とは、神と仏の両方を意味することになり、「権現」に手を合わせることで、『神と仏の両方に手を畏敬を示すことができる』という両者を兼ね合わせた都合の良いものだったと言える。

ただ、神仏混淆において、神道の神々を仏の存在に例えられたり、置き換えられたりということはあったが、この「権現」が、神道の神々の御名に直接用いられることはほとんどなかった。

形式としては、その神社に祀られる複数の神々の集まり(グループ)に対して引用されることが多く、この他、徳川家康公が自らの神号として、「東照大権現」と称したものや、特定の奇跡(自然現象など)や自然(山など)に対して、これも「神仏が現れた結果」として、この「権現」という言葉を用いて、特有の信仰対象を作り上げることなどもあった。ただ、基本、いずれの場合においても、「神仏などの存在が別の姿を以て現れたもの」というのが、この「権現」という言葉の基本的な意味となる。

[主な権現]
東照大権現(とうしょうだいごんげん)
春日権現(かすがごんげん)
六所権現(とくしょごんげん)
八竜権現(はちりゅうごんげん)
蔵王権現(ざおうごんげん)
立山権現(たてやまごんげん)
白山権現(はくさんごんげん)
羽黒権現(はぐろごんげん)
二羽渡権現(にわたりごんげん)
青龍権現(せいりゅうごんげん)
走湯権現(そうとうごんげん) 他