[由緒]
天照大神が天岩戸から引き出された際、二度と天岩戸に入れないよう太玉命(あめのふとだまのみこと)が注連縄(「尻久米縄/しりくめなわ」)で戸を塞いだこと(古事記)が伝承上における起源とされています。また、注連縄の材料そのものが、刈り取って干した稲藁、又は麻であることから、稲作文化とかかわりの深い風習から来ているとも考えられております。
[語源]
万葉集には、「標縄(しめなは)」という言葉があり、本来は、「占める」の意味から派生したとされています。また、由緒にも見られるように、古事記の中で、「尻久米縄(しりくめなわ)」という言葉に見られ、「くめ」という言葉が、「出す」という意味を持っていることから、藁(わら)の尻をくめ置いて垂らした縄という意味で、「しめ縄」という言葉が生まれたともされております。更には、「注連縄」という漢字においては、「注連(ちゅうれん)」という言葉が、中国で死霊が入り込まないよう、水を注いで清め連ね張った縄を意味し、一定の間隔で、藁を「三・五・七本」と垂らすため、「七五三縄」とも表記されるようになったとしております。 |