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私たちがこうして何気ない日常を過ごすことが出来るのも、神社にお仕えする神職の方たちが、私たちに代わって土地の神、風習を祀り、守って頂いているおかげとも言えなくもないのですが、実は、そうした神職の皆さんについて考えた時、意外とその内容を知りません。

それは、お寺のお坊さんと比較してみると分かりやすいのですが、お坊さんは、どちらかと言えば、身なりも剃髪していて一見して分かりやすいし、何より説法を説かれるので、会話が生まれやすく馴染みやすい。でも、神職の方はというと、なかなか会話をする機会はなく、そもそも会う機会も少ない。そのため、神職について、ふと考えると知らないことの方が実に多い。

一般には、神主(かんぬし)さんなんてお呼びする方も多いですが、実は、これ、関東の傾向で、関西では、禰宜(ねぎ)さまなんて呼ばれているようです。他にも、神官(しんかん)とか、祝部(はふりべ)と実はその呼称においてはいろいろとあるようです。
神主の資格や職階について
実際に、神職になるには、その資格が必要とされます。資格には、階位(かいい)と呼ばれる五段階の位があり、「浄階(じょうかい)」をその最高位と位置づけ、その後、「明階(めいかい)」「正階(せいかい)」「権正階(ごんせいかい)」「直階(ちょっかい)」へと続きます。

「浄階」は長年神道研究に貢献した名誉階位とされ、一般にみる神職の階位は「明階」以下のものとを指します。「明階」では基本どの神社でも宮司になることが可能で、「正階」では、県社の宮司、別表神社の禰宜になるためには必要な階位としています。そして、続く「権正階」では、村社・郷社の宮司に必要な階位で県社の宮司資格はないようです。「直階」はこれら職位の基本的なもので神社の「権禰宜」になるために必要な最低限の階位としています。

こうした階位を得るための資格は原則所定の方法、機関を通じて取得することになります。一応、各都道府県の神社庁が実施している講習と試験に合格をすれば、誰でもその資格を取得することが出来るそうですが、非常に難度が高いことから、國學院大学(東京)皇學館大学(伊勢)といった神職の養成を目的とした教育機関で必要な単位と実務実習を終了することで、相応の資格を取得するのが一般的となっています。

この場合、同大学で4年間の就学で「明階」まで取得可能となっており、更に一般大学の卒業資格があれば、1年で取得することも可能なようです。この他、全国各地にある神職養成所でも、高校卒業程度の資格があれば、一年で「権正階」、二年で「正階」までは取得することが可能となっています。ただし、これら階位はその後の職位にも影響を与えているようです。

しかし、これら職位は、仕える「神社」や「地域」によって変わることもあり、とりわけ、この階位と職位のシステムは、神社本庁に所属している神社が主な対象となるため、それ以外の神社では独自の方針を設定しているところもあるようです。例えば、靖国神社などは神社本庁に所属していない、いわゆる単立神社(たんりつじんじゃ)と呼ばれる神社で、ここでは神職未経験者の人が宮司になることもあります。また、地域によっては、神職のいない地域などもあるため、そこでは、頭屋(とうや)と言って、氏子が交代制で神事を司るところもあります。

そんな一般的な職位ですが、代表は皆さんもよく耳にする宮司(ぐうじ)。続いて、禰宜(ねぎ)で、最後に見習い的な出仕(しゅっし)となります。ただ、これも神社の組織レベルによって変わり、中には、宮司、禰宜の中間位にある副官的な存在の権宮司(ごんぐうじ)や、禰宜に続く権禰宜(ごんねぎ)と呼ばれる職位を設けている神社もあります。ただし、巫女(みこ)に関しては、統一的な規定があるが訳ではなく、神社ごとに設けていることが多いようです。
神職の服装について
神職の服装は、大きく分けて、「正装(せいそう)」と「礼装(れいそう)」と「常装(じょうそう)」の三つに分けられます。それぞれの服装は行われる祭祀の規模で使用が異なります。

・「正装」:例祭や新嘗祭(にいなめさい)などの大祭
・「礼装」:歳旦祭(さいたんさい)などの中祭
・「常装」は、小祭

そんな男子用の「正装」は「衣冠(いかん)」と呼ばれ、冠(かんむり)袍(ほう)を着用し、「礼装」では、一見、衣冠と同じですが、冠と袍の形が若干異なると言います。「常装」は、狩衣(かりぎぬ)と呼ばれ、烏帽子(えぼし)狩衣、または、浄衣(じょうえ)を着用します。

具体的には、先ずは、白衣(ぎゃくえ)と呼ばれる白い和服を羽織り、その上に、単(ひとえ)と呼ばれる色のついた和服を重ねます。ただし、これは省かれることもあるようです。その上に、狩衣などを重ね、最後に、袴(はかま)を履いて仕上げます。ただ、袴の色は、神職の職位によって異なり、上から、白紋入りの白袴白紋入りの紫袴紫紋入りの紫袴紫袴浅黄色袴(水色っぽい色)白袴(主に研修者が着用)となるようです。

続いて、女性用の「正装」は「袿袴(けいこ)」と呼ばれ、「常装」を「水干(すいかん)」と呼びます。男性との大きな違いは、「笏」ではなく、「」を持つことで、これも正装と常装では異なり、「正装」は「檜扇(ひおうぎ)」、「常装」では「ぼんぼり扇」を持ちます。そして、「正装」では、「単(ひとえ)に袴(はかま)を着たところ、表着(うわぎ)、唐衣(からぎぬ)を着用し、「常装」では唐衣は着用しません
そして、頭部には、「正装」では、「釵子(さいし)」と呼ばれる冠を着けます。そして、日陰糸(ひかげいと)と呼ばれる青または白の組糸を垂らし、頭挿花(かざし)を添えて、豪華に飾り付けをします。これが「常装」だと、額当(ぬかあて)という紗(うずきぬ:薄い絹で出来た額当て)を着用します。やはり女性神職の方が華やかなものになるようです。また、巫女(みこ)の場合、より質素なもので、白衣に緋袴(ひばかま:赤色)を着用します。
神職の現状について
そんな神職の現状ですが、実はあまり良いとは言えないのが実状です。というのも、現在、日本には、20,000人ほどの神職がいるとされておりますが(うち女性神職が2千人程度)、実は、東北地方などでは、神職不足が相当深刻で一人の神職者が、30〜40社程度の神社を兼務されるという問題が起こっているようです。これは実際、宮司の数が11,000人との指摘もあり、全国8万社弱と言われていることを考えれば、単純計算でも一人8社は兼務しないと成り立たない計算です。中には、最高100社の兼務があるという事例も聞いているだけに神職不足が如何に深刻かが分かると思います。

それだけではありません。中には、過疎化や地域の氏子離れ(地域社会の形骸化)や、新興宗教の台頭などもあり、運営危機を迎えているところも少なくなく、サラリーマンや他の事業をやりながら、または、駐車場経営などの副業をやりながら神職を続けられる方も数多くおります。それも、こうした諸問題に起因する部分も多く、抜本的な対策が必要とされております。皆さんも地元の神社に是非目を向けてみて下さい。神社は、あくまで、自主的な地域振興施設となります。神職がいなくなれば、氏子という町内会が守るしかなくなります。できれば、健全に神職の方に守っていただき、郷土の文化を次世代に繋げて頂きたいものです。
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