白雉2年 (651年) | | 笠間稲荷神社 (茨城県) | | こちらも具体的な創建時期は不明としながらも、社伝では、その創建は、661年にのぼるとされ、『常陸国風土記』によると、7世紀ごろにはすでに当地で宇迦之御魂神への信仰が行われたと記されている。 |
|
白雉3年 (652年) | | 糸我稲荷神社 (和歌山県) | | 実は、伏見稲荷大社の創建よりも古い稲荷神社の存在が指摘されており、この和歌山県の糸我稲荷神社では、「長引く凶作を憂えた村人が、高山に登拝し、数日にわたって供物を捧げ、豊作を祈念→倉稲魂命が降臨し、御神託を下した。」とあり、境内にも、「本朝最初の稲荷神社」の石碑が残っている。 |
|
和銅年間 (708〜15年) | | 稲荷山 (京都府) | | 当時、稲荷山近辺で富を得ていた一族に秦家がいた。その一人、秦伊呂具(いろこのはたのきみ)は、餅を的にして矢を放っていた。すると、その餅は、白鳥へと変化し、そのまま伊奈利(稲荷山)三ヶ峰の方角に飛翔し、その山の峰に、稲が成ったと言われ、稲荷の語源が生まれる。また、同じくして、勢力を誇った泰氏も、この事件以降、衰退の一途をはかっていた。 |
|
和銅4年 (711年) | | 伏見稲荷大社 (福岡県) | | 秦伊呂具は、衰退していく秦家は、自らの愚行が招いたとし、伊奈利(稲荷)三ヶ峰の平なところに稲荷神を祀ったとされ、これが伏見稲荷大社の始まりとされている。 |
|
和銅5年 (712年) | | 箭弓稲荷神社 (埼玉県) | | 当時、既に小さな祠として祀られたとされ、その詳細は謎だが、この年を既に創建の時期としている。 |
|
延暦13年 (794年) | | 平安京 (京都府) | | この年、長岡京より平安京への遷都が行われるが、実は、この平安京への遷都には、秦氏の財務的支援があったとも言われている。これが事実であれば、平安京への遷都は、秦氏の政治的基盤を強め、暗躍する商人の立場と共に、稲荷神社拡大の起爆的要因になったと推察もできる。 |
|
延暦15年 (796年) | | 伏見稲荷大社 (福岡県) | | 京都の九条町に、真言宗の総本山、東寺が建立される。この時、五重塔の建立に、伏見の稲荷山から用材が切り出されたことから、稲荷神が東寺の守護神として、習合化を果たしていくことになる(空海が稲荷神と交渉したとも伝えられる)。 |
|
大同2年 (807年) | | 草戸稲荷神社 (広島県) | | 明王院を開基したとされる空海上人が同寺の鎮守として、祀ったことに始まるとされる。 |
|
弘仁2年 (811年) | | 館腰神社 (宮城県) | | 空海が、当地に弘誓寺を創建するにあたり、伏見稲荷より御分霊を勧請したとされる。 |
|
承和9年 (842年) | | 竹駒神社 (宮城県) | | 小野篁(おののたかむら)が陸奥国司として赴任した際、伏見稲荷を勧請して創建したとされる。 |
|
天慶3年 (940年) | | 烏森神社 (東京都) | | 平将門が乱を起こした時、藤原秀郷(俵藤太)が武蔵国のある稲荷神社に戦勝を祈願した結果、無事に乱を鎮めた御礼として創建したとされる。 |
|
天喜5年 (1057年) | | 志和稲荷神社 (岩手県) | | 源頼義が安倍頼時、貞任父子の追討(前九年の役)において、陣ヶ岡に布陣した際に、その戦勝を祈願し伏見稲荷よりご分霊を勧請したことに始まる。 |
|
平安時代 (1100年代) | | 蓮台野 (京都府) | | 平清盛の若い頃、狩りをしていた時に、一匹の狐に矢を向けて狙い定めていた。すると、その狐は、美女へと変化し、自らを、仏神「荼枳尼天(だきにてん)」と称し、自らを救う代わりに、願い事を叶えると清盛に神託を授けたという。 |
|
長禄元年 (1457年) | | 千代田稲荷神社 (東京都) | | 太田道灌公が江戸城(千代田城)を建築した際、城内に京都の伏見稲荷を勧請したという。 |
|
長禄元年 (1457年) | | 常磐稲荷神社 (東京都) | | 太田道灌が江戸城を築城の際、京都伏見稲荷大神の御分霊をいただき、常磐稲荷と名付け、江戸城の守護神として勧請したという。 |
|
長禄2年 (1458年) | | 柳森神社 (東京都) | | 太田道灌公が江戸城の鬼門除けとして、多くの柳をこの地に植え、京都の伏見稲荷を勧請したという。 |
|
明応5年 (1496年) | | 高橋稲荷神社 (熊本県) | | 隈本城の初代城主である鹿子木親員が支城として稲荷山山頂に上代城を築いた際、城内鎮守のため京都の伏見稲荷神社より御分霊を勧請したという。 |
|
明治17年 (1884年) | | 札幌伏見稲荷神社 (北海道) | | 初代野村茂翁元官幣大社となる札幌神社称宣が、京都伏見にある伏見稲荷大社のご分霊を勧請したという。 |
|
稲荷神信仰は、伏見稲荷大社における秦氏を起点に広まりを見せているのは事実であるが、その稲荷信仰における創始には、別の地にも見られることから、元々、地方神として、稲荷神信仰(穀物神信仰)があったのではないかと考えられる。それは、稲荷神と一口に言っても、複数の神の存在が見られる点、その代表とされるウカノミタマが、いわゆる記紀という神話の中では、名前を残すだけで、とりわけ大きな活躍を残していない点などから、地方神として存在した穀物信仰を中央に組み込むため、組織化された可能性も考えられる。
それが、秦氏の活躍とリンクして考えると、非常にスムーズにその繁栄の過程を追うことができる。これは、また、稲荷神社拡大の特徴のひとつに、総本社からの直接勧請が多いというのも同様で、八幡神社や日枝神社などは、ご分霊にご分霊をかさねて、徐々に、信仰の頒布が移動しているケースが多いが、稲荷神社は、その数が多いだけに、中央集権的に、直接勧請がかなり機能しているのは、それだけ、伏見稲荷と秦氏の拡散が実働的役割を果たしていたのではないかという推測ができるが、とにかく、稲荷信仰は全国に幅広く浸透しているのは、その最大の特徴でもある。因に、東京都内において、稲荷神社が多いのは、一部には、江戸城を築城した太田道灌 が、その鬼門除け、守護神として、相当数の稲荷神社を勧請したことも理由に挙げられる。
|
|
代表的なお稲荷さん
|
| | ■ 伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)/総本社 [所在地]京都府京都市伏見区深草藪之内町68 [主祭神]宇迦之御魂神・佐田彦大神・大宮能売大神・四大神・田中大神 ・稲荷神社のいわゆる総本宮にあたる中心的な神社! ・伏見稲荷大社のページへ |
|
|
| | ■ 笠間稲荷神社(かさまいなりじんじゃ) [所在地]茨城県笠間市笠間1 [主祭神]宇迦之御魂神 ・白雉2年(651年)創建という、国内でもっとも古い歴史を持つ稲荷神社! ・笠間稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 糸我稲荷神社(いとがいなりじんじゃ) [所在地]和歌山県有田市糸我町中番329 [主祭神]宇迦之御魂神・土御祖神・大市比賣神 ・本朝最初の稲荷神社を掲げる稲荷神社! ・糸我稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 祐徳稲荷神社
(ゆうとくいなりじんじゃ) [所在地]佐賀県鹿島市古枝下古枝1855 [主祭神]宇迦之御魂神・大宮能売神・猿田彦神・神令使命婦神・萬媛命 ・日本五大並びに九州三大稲荷の一つに数えられる稲荷神社! ・祐徳稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 高橋稲荷神社
(たかはしいなりじんじゃ) [所在地]熊本県熊本市西区上代9-6-20 [主祭神]宇迦之御魂神 ・日本五大並びに九州三大稲荷の一つに数えられる稲荷神社! ・高橋稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 扇森稲荷神社
(おうぎもりいなりじんじゃ) [所在地]大分県竹田市大字拝田原字桜瀬811 [主祭神]保食命・猿田彦神・大宮能売神 ・日本五大並びに九州三大稲荷の一つに数えられる稲荷神社! ・高橋稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ) [所在地]島根県鹿足郡津和野町後田409 [主祭神]宇迦之御魂神 ・日本五大稲荷の一つとされ、島根では出雲大社に次ぐ参拝客を誇る稲荷神社。! ・太皷谷稲成神社のページへ |
|
|
| | ■ 草戸稲荷神社(くさどいなりじんじゃ) [所在地]広島県福山市草戸町1467 [主祭神]保食命・宇迦之御魂神・大己貴命 ・広島県内で二番目に多い参拝者を迎える人気の稲荷神社! ・草戸稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 瓢箪山稲荷神社(ひょうたんやまいなりじんじゃ) [所在地]大阪府東大阪市瓢箪山町8-1 [主祭神]保食命 ・辻占いの総本社と言われる大阪を代表する稲荷神社! ・瓢箪山稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 源九郎稲荷神社(げんくろういなりじんじゃ) [所在地]奈良県大和郡山市洞泉寺町15 [主祭神]宇迦之御魂神 ・源義経公を守り通したと言われる数々の狐伝承で有名な稲荷神社! ・源九郎稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 竹駒神社(たけこまじんじゃ) [所在地]宮城県岩沼市稲荷町1-1 [主祭神]宇迦之御魂神 ・日本三大稲荷の一つに数えられることもある東北を代表する稲荷神社! ・竹駒神社のページへ |
|
|
| | ■ 箭弓稲荷神社
(やきゅういなりじんじゃ) [所在地]埼玉県東松山市箭弓町2-5-14 [主祭神]保食命 ・球児たちに人気の埼玉県を代表する稲荷神社! ・箭弓稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 王子稲荷神社(おうじいなりじんじゃ) [所在地]東京都北区岸町1-12-26 [主祭神]宇迦之御魂神 ・関八州の狐が集まると伝えられる稲荷神社。狐の行列でも有名! ・王子稲荷神のページへ |
|
|
| | ■ 鼻顔稲荷神社(はなづらいなりじんじゃ) [所在地]長野県佐久市岩村田4261 [主祭神]宇迦之御魂神 ・一部には「日本五大稲荷」のひとつとも言われる。! ・鼻顔稲荷神社のページへ |
|
|
| | ■ 門田稲荷神社(かどたいなりじんじゃ) [所在地]栃木県足利市八幡町387-7 [主祭神]宇迦之御魂神 ・三大縁切り稲荷の一つにも数えられる神社。! ・門田稲荷神社のページへ |
|